トルク管理とは
トルクレンチ&ソケットおすすめ商品

なぜトルク管理が重要か
- 適切な管理で車両の安定性と安全性を実現


金属も「疲れる」ことがあります。何度も力をかけられると、その負担が積み重なり、部品に「割れ」や「壊れ」の兆候が現れることがあるんです。

特にアルミニウムなどの非鉄金属は、金属の疲労に弱い傾向があります。トルク(ねじの力)が過度にかかりすぎると、部品が壊れたり、ボルトが折れたりするリスクが高まります。そのため、エンジンや車両の安全性を保つためには、適切なトルク管理が必要です。

トルクの調整が不適切だと、部品が緩んだり、壊れたり、最悪の場合、安全上の問題が生じることがあるのです。たとえば、タイヤのホイールナットを過剰に締め付けると、走行中にホイールが外れる可能性があるんです。

ですから、部品を正確なトルクで締めることは、車のメンテナンスや修理において非常に重要なことなんです。勘だけでは不十分です。正しいトルク管理を理解し、実践することが大切です。

トルクとは?


ボルトやナットを締める際の力の大きさを指します。トルク管理が重要な理由とは、ボルトの適切な締め付け力が車両安定性やエンジンに深く関わっているからです。トルク管理値早見表を参照し、ハンドツールやインパクトレンチを用いる際の適切なトルク値を把握しておきましょう。
計算式 (回転力)= (レンチの長さ)×(力をかける)
単位 Nm(ニュートンメートル)
トルクについての画像

例えば、1mのレンチで100N(※)の力をかけた場合は100Nmとなる。
※100Nは感覚的には大体、10.2㎏の荷物を持つぐらいの力。

長いレンチを使えば、大きな力が掛けられるため、軽い力で作業ができます。
2mのレンチなら、100Nm÷2m50N (約5kgf)

⇒1mのレンチと比べて半分の力で作業ができることになります

 

★注意点★

※以前は、kgf・m(キログラムメートル)が使われていたが、現在は新計量法に基づいてNm(ニュートンメートル)を使用している。誤差はあるが、1Nm≒0.1kgf・mと考えて問題なし。
※整備書の指定トルク値が5kgf・mと記載されている場合は、50Nmを測定可能なトルクレンチを用意すればよい。

ボルトが緩まない理由とは?
- トルク管理を活用して車両安定性を保つ


締め付けたことで伸びたボルトが元に戻ろうとする力が働くためです。
ボルトを締め付けると、ボルト本体には引っ張り方向の力がかかります。引っ張られて伸びたボルトは、バネのように元に戻ろうとして、締め付けているもの(部品等)を圧縮します。ボルトが締まっている(固定されている)状態とは、引っ張られて伸びようとする力と、戻ろうとして締め付けるものを圧縮する力のバランスが取れている状態です。だから、簡単には緩まないのです。

ネジの締まる図


しかし、金属が「元に戻れる」「元に戻れない」の境目を”降伏点”と呼び、超えてしまった際にはバネ力を失い締結力が薄れ、結果緩んでしまうのです。見た目は、締まっているようでも、後に緩んでしまうということが起きます。適切なトルク管理を行うことで、安全な状態を保つことが可能です。

はじめてのトルクレンチ選び
- 正確なトルクコントロールで安全と車両安定性を確保


トルク管理を行うための基本的なツールには、トルクレンチやトルクドライバーがあります。これらのツールを使用してトルク管理を行うことで、パワートレインの保護や車両安定性の向上が期待できます。管理値早見表や管理表を参照して、最適なツールを選びましょう。

プリセット式トルクレンチ
自由にトルク値を設定して、そのトルク値に達した時点で「カチッ」という音と軽い振動で知らせます。これにより、ボルト締めやナット締め付けの締め付け作業が一定のトルクスペックで行えます。一般的に広まっているトルクレンチです。
プリセット式トルクレンチ

ビーム式トルクレンチ
金属のバーが曲がることでトルク値を読み取ります。これにより、トルクでのナット締め付けが可能になります。仕組みが単純な分、意外に正確で安価なものが多いです。メモリを見ながらボルトやナットを締めるのでコツがいります。

プリセット式トルクレンチ画像

ダイヤル式トルクレンチ
アナログ式のダイヤルゲージがアームについていてトルク値を直接読み取ります。履歴の残る針がついているので、現状での最高締め付けトルク値が記憶されます。トルクテスター(今どれぐらい締め付けられているのか確認する)としても活用できます。
ダイヤル式トルクレンチ

デジタル式トルクレンチ
電子ディスプレイにトルク値を表示。締め付け作業の際に、トルク設定がデジタルで行え、設定値に達すると音や光で教えてくれます。データの記録可能なモデルが多いです。
デジタル式トルクレンチ

単能式トルクレンチ
トルク値が固定されているので、作業の用途が決まっている場合は便利です。プリセット式トルクレンチと同様、トルク値に達した時点で音と軽い振動で知らせます。
トルクレンチを選択する際には、必要なトルク値範囲がカバーされているのかを確認しましょう。また作業内容によってどれぐらいの精度が求められるか、メンテナンスの容易さ、使用頻度、価格などを考慮して、適切なものを選ぶことが大切です。

では…おすすめトルクレンチは?


はじめて使用するトルクレンチにはSIGNET(シグネット)KTC(京都機械工具)TOHNICHI(東日製作所)おすすめしています。
SIGNET(シグネット)は、価格の割には精度が安定しており、コスパがとてもよいです。また、KTC(京都機械工具)、TOHNICHI(東日製作所)は、日本製で信頼性が高いです。その割には、価格も高すぎないためおすすめです。

車のタイヤ交換などは110Nぐらいのトルクが必要になります。その場合は、200Nmまで対応しているトルクレンチが必要です。
自分の作業で必要なトルク値を確認してから、トルクレンチの測定範囲を確認して選ぶとよいでしょう。

 

◆SIGNET(シグネット)トルクレンチ 3/8sq ¥13,200(税込)
【差込角】3/8sq(9.5sq)【測定範囲】20~100Nm
SIGNET(シグネット)トルクレンチ 3/8sq

◆SIGNET(シグネット)トルクレンチ 1/2sq ¥14,344(税込)
【差込角】1/2sq(12.7sq)【測定範囲】40~200Nm
SIGNET(シグネット)トルクレンチ1/2sq

◆KTC(京都機械工具)プリセット トルクレンチ 9.5SQ ¥18,232(税込)
【差込角】3/8sq(9.5sq) 【測定範囲】20~100Nm
KTC(京都機械工具)プレセット トルクレンチ 9.5SQ

◆KTC(京都機械工具)プリセット トルクレンチ 12.7SQ ¥23,265(税込)
【差込角】1/2sq(12.7sq)【測定範囲】40~200Nm
KTC(京都機械工具)プレセット トルクレンチ 12.7SQ

◆東日製作所(TOHNICHI) トルクレンチ(ラチェット式) 1/2'DR ¥18,365(税込)
【差込角】1/2sq(12.7sq)【測定範囲】20~100Nm
東日製作所(TOHNICHI) 20-100N・m(1/2'DR) トルクレンチ(ラチェット式) QL100N4-MH

◆東日製作所(TOHNICHI) トルクレンチ(ラチェット式) 1/2'DR ¥22,028(税込)
【差込角】1/2sq(12.7sq)【測定範囲】40~200Nm
東日製作所(TOHNICHI) 20-100N・m(1/2'DR) トルクレンチ(ラチェット式) QL100N4-MH


トルクレンチに必要なソケットもご紹介します!


トルクレンチは先端に「ソケット」を差し込んで使います。
上で紹介したトルクレンチは、差し込み角「3/8」と「1/2」があります。その差し込み角には、3/8には8~38mm1/2には5.5~24mmの適正ソケットサイズがありますので、間違えないように購入してくださいね。

自動車などで定番で使われるボルトのサイズは8・10・12・14・17・19mmあたりなので、それにあったソケットを用意するとよいです。逆に自動車ではほとんど使われていない13mmのボルトは、自転車や家具、機械などでは使用されていたりします。

単品での購入はもちろん、上記のサイズを含んでいるソケットレンチセットもありますので、トルクレンチを購入する際はこちらもぜひ一緒に検討してみてくださいね!

◆SIGNET(シグネット)3/8”DR ソケットセット(六角タイプ)¥3,740 ◆

SIGNET(シグネット)3/8”DR ソケットセット 12350

【差込角】3/8sq
【ソケット】8・9・10・11・12・13・14・15・16・17・18・19・20・21・22mm



◆SIGNET(シグネット) 1/2DR ソケットセット (六角タイプ)¥4,488 ◆

SIGNET 1/2DR 14PCソケットセット ホルダーツキ 13335

【差込角】1/2sq
【ソケット】10・11・12・13・14・15・16・17・18・19・20・21・22・24mm



差込角やソケットについては別の記事でも紹介していますので一度見てみてください!
インチ工具?差し込み角?工具の基礎知識について学びましょう!
ソケットレンチ(ソケット)の種類や正しい選び方を学びましょう!

 

最後にトルクをかけている動画を見てみましょう!

※動画掲載の許可をいただいております。

↓↓ 今回使用した商品は下記です ↓↓

はじめてのメンテ

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